症例報告(股関節痛、変形性股関節症)治療家向けページ

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  • 東京都 50代 男性 まつお さん
  • 主な症状:(変形性股関節症)手術はしたくないが悩んでいる

来院前の状態

1998年に右股関節の脱臼骨折。その時から股関節が動かしづらくなっていたが、その数年後にボールを思いっきり投げた弾みでぎっくり腰になったのがきっかけで歩行が痛く辛くなる。人工股関節の置換手術はできればやりたくない。

奥様の勧めで「だまされたと思って」ぐらいの気持ちで来院。

1回目の検査と見立て

検査をしていくと、右股関節がほとんど回せず、動かすと痛みが走りました。

  1. 痛みによる全身の過緊張、交感神経過敏の状態。
  2. お腹を軽く押すと大腰筋、腸腰筋、恥骨筋に圧痛。これらの筋肉が大腿動脈を圧迫して下腿への血行、リンパの循環障害を起こしている。
  3. お尻周りの筋肉、大臀筋、中臀筋、小臀筋の硬化と萎縮を確認。(股関節を保護するために筋肉が硬化した状態が続き、疲労により萎縮したと考察)

以上により骨盤が大きく捻れた状態で固着し仙骨頭蓋リズムが消失。生命力が大きく下がり、身体が回復の仕方を忘れてしまっている状態になっている。

1回目の治療

  1. 痛みによる全身の過緊張、交感神経過敏の状態。
  2. お尻周りの筋肉、大臀筋、中臀筋、小臀筋の硬化と萎縮に対してのアプローチ。

うつ伏せで

大、中、小臀筋、腰椎5番、胸腰椎移行部、胸椎4番と5番、腰方形筋、広背筋の緊張を解放。約20分の施術のあとで立っていただくと、疼痛半減。
次は仰向けで

  • 骨盤の仙腸関節、仙腰関節に動きをつける。
  • 腹大動脈、鎖骨下動脈、腋下動脈の循環障害を解放。
  • 頚椎の捻れの後、後頭骨と蝶形骨の捻じれを調整。
  • 腸、肝臓、膵臓、腎臓、胃のリンパ循環を改善

全身の過緊張と循環が良くなったところで最初の施術を終えました。

使用した手技

ストレイン・カウンター・ストレイン、クラシカル・オステオパシー、チャップマン反射、筋膜神経反射

2回目(1ヶ月後)

2回目来院時、股関節の痛みは3分の1程に減っていました。
この日の施術は股関節のねじれと、頭蓋骨や骨盤の微細な動きの調整(頭蓋骨と骨盤は細かく呼吸運動をしています!)

3回目(2回目より1ヶ月後)

「ランニングの後は痛むけど普段の生活では痛みが無くなった!」と話されていた まつお さん。
活動的な方なのでラニングや自転車で運動をできるようになっていきたいとのこと。もう手術をする気は全く無くなった様子です。
全身の動きもかなり滑らかになってきました。この日は今までの施術に加えて以下を調整しました。

  • 踵骨のポジショニング(腸の硬さから小臀筋が硬くなり大腿二頭筋、ヒラメ筋、アキレス腱と順番に引っ張られていた。)
  • 足首の動き(距骨、舟状骨の捻れ。足底筋膜の硬化)

今後

月に1回のペースで合計5回ほど来院していただきすっかり痛みも楽になっていただきました。大好きなマラソンや自転車も再開して今でも2.3ヶ月に一度のペースでメンテナンスに来院していただいています。

まつお様 4回目施術後のアンケートより

どのような症状でしたか?

右股関節脱臼骨折(1998年)人工股関節の置換手術を受けるかどうか迷い「だまされた」ぐらいの気持ちで来院。

施術を受けられてどうでしたか?

劇的に改善。でも事実。手術は受けるつもりが全く無くなりました。

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